【琥珀side】



夏休みも中盤に差し掛かった頃。


夜でも蒸し暑さもまだまだ健在で、扇風機をガンガン回す。


寝る前に偶然、家族全員プラス桜音のみんなでリビングにいると親が急なことを言い出す。


「あ、急なんだけど明日1日俺らいないから。お留守番よろしく」

「は?郁理くん急すぎ。彩葉ちゃん知ってたの?」

「あたしも知らされたの今日だもん。郁理ったら急なんだからっ!」


どことなく嬉しそうに怒る彩葉ちゃん。


バカップルめ!


「つーことだから、お前と桜音の二人で留守番頼むわ」

「はい!私は大丈夫ですよ。ね、琥珀くん」

「ったく子供置いてくなんてよ~」


ほんとにこの二人は仲良すぎる。


本気でケンカとかしたことあんのかな?



「ごめんね~二人とも!明日の夕方には帰って来るからねっ!」

「ところで郁理くんと彩葉ちゃんはどこ行くの?」

「久しぶりに二人で温泉旅行行って来るから♪」

「たっ、楽しんで来て下さいね!」


桜音が引いてるんですけど………。


俺はこんな急な旦那さんにはならないようにしよう、うん。