【琥珀side】
入学式も終わり、大学生生活を満喫中の俺。
新しい友達も何人かできたし、桜音もちゃんと大学通ってるみたいだし滑り出し好調。
ただ、強いて言うなら一つだけ足りないモノ。
「ただいまー」
「おかえり琥珀!ちょうどご飯できたとこ!食べるでしょ?」
「あっ、食う!」
「ほら!郁理も仕事は後にしてご飯!」
「おぉ~今行くわ」
食卓を囲むのは、俺と郁理くんと彩葉ちゃんの三人。
うるさいのがいないと物足りなく感じる。
「まさか、笑花がこんなに早く家出るなんて思わなかったなぁ~俺」
「ほら、また笑花の話し。一番寂しがってるじゃないの!」
「はぁ!?寂しくねーよ……」
「郁理くん寂しそ~」
「黙ってご飯食べよーね、琥珀」
笑ちゃんがいなくなってから、琥珀が少し寂しそう。
娘が家を出てくから当たり前、か………。