段ボールだらけになったあたしの部屋。
部屋にあるのは、ベッドと小学生から使ってた机のみ。
タンスや棚は郁理と琥珀が1階まで運んでくれた。
「すごいねぇー!あんなに物多かった笑花の部屋が、こんなになって!」
「はぁ~………疲れた…。ありがとね、彩葉ちゃん!」
「ふふっ、どういたしましてっ」
物がなくなったあたしの部屋は、話し声が響くほど。
何だか、嬉しいようで寂しいような……。
「この一軒家建てたのって笑花が幼稚園入る前だったっけ…。琥珀がまだ3歳で」
「懐かしい~!そうだ!この部屋確か琥珀とケンカして決めたんだよねっ」
「あの時は大変だったんだから~!郁理も仕事でいないだもん」
「で、結局ジャンケンして勝ったあたしが手に入れたんだよねー」
4歳までマンションで暮らしてたあたし。
一軒家に引っ越した時は、嬉しくてしょうがなかった。
この部屋は少なくとも17年間お世話になったんだね……。