飽きるほど歩いた道に、見飽きた風景が懐かしく感じる。


文化祭の看板がデカデカと飾られた校門で、サラと涼ちゃんと蒼空くんを待ってた。


「蒼空くんと涼ちゃんまだかなぁ~」

「この蒸し暑い真夏にどんだけ待たせんだよ!」

「忙しいなら仕方ないよねー…」

「あれ?ってか笑花さ、今日講義あるって言ってなかった?」

「欠席したに決まってるじゃん!」


ガッツリ講義が入ってたあたしは、体調不良で休みになってる。


蒼空くんが楽しみにしてるのに裏切れるわけないよ。


「サラちゃん!2日ぶり~会いたかった♪」

「暑い!いつまで待たせんだよっ!……蒼空は?」

「あぁ……笑ちゃん!蒼空は、もう少ししたら来ると思う!」

「蒼空くん………。あっ、来た!」

「ごめんね!来てくれてありがと!」


急いで来てくれたのか、少し呼吸が乱れてる蒼空くん。


だけど、いつもの優しい笑顔は忘れてない。