屋上のフェンスにもたれかかって、二人でくっついて座る。
正座してコテンの俺の肩に頭を乗せる桜音が、すげーかわいい。
「………琥珀くん?」
「ん?」
「何か悩み事があるんですか?…琥珀くんらしくないです」
「俺はいつも通りだよ」
「そんなことないです!困ってることがあるなら私に相談して下さいね?」
その笑顔見れるだけで俺は十分。
でも、今だけは桜音に甘えさせてほしい。
「はぁ~………進路どーしよ。俺、やっぱ医者になれねぇわ」
「医者にならなくていいじゃないですか。私はそのままの琥珀くんが好きです」
「だけど、桜音といれなくなんのは無理」
「私もそれは嫌ですけど………琥珀くんの人生ですからねっ」
桜音が俺の頭をくしゃくしゃと撫でる。
やっぱ俺らしく生きないとダメだよなぁ~。
だけど、桜音の笑顔を見てたら少し元気になった気がする。