涼と蒼空は顔を見合わせて、苦笑いを浮かべる。


「えっと~……嘘だよな?いくら琥珀でも嘘、だよな?」


蒼空が遠慮がちに俺に聞いてくるもんだから、俺はまた同じく答えた。


「本気で」

「琥珀。お前が将来何になろーと俺らには関係ない。でも医者はやめとけ」

「それが、彼女のためだとしても…ね?」

「まっ、桜音ちゃんのためならやめろ」


二人に否定される前から分かってるけどよ~…。


「俺が医者になれねーことぐらい知ってる。だから頑張る」

「それ笑ちゃんとか郁理くん知ってんの?」

「知らねぇ。まだ何も言ってないし」

「多分、放課後の進路相談で担任からも否定されると思うな………」


そんなこと知ってる。


だけど、桜音といるためにはこうするしかないし………


俺だって医者になりたい訳じゃない。