照れてうつむくあたしに蒼空くんは、ブレザーの中で指を絡ませる。
指先が熱い。
「学校に笑花ちゃんがいないのは、寂しいね。俺、学校辞めるかも」
「そんなこと言っちゃダメ。ちゃんと卒業してあたしにネクタイちょーだい?」
「分かった。約束ね?」
「うん!約束だよ」
あたしの家に近付くと寂しさが増していく。
すると、蒼空くんが足を止めた。
「もう1つ約束したいことあった」
「なぁに?」
「俺も笑花ちゃんと同じ大学行く。だから待ってて」
「ずっと待ってるよ。早く来てね?」
「もちろん!」
肌寒い外でのキス。
唇は冷たいのに触れると温かい。
春からも大学生として頑張れそうです。