桜音は俺の膝からピョコンと飛び降りて、大きな窓の外を見つめる。


俺はその桜音の小さな背中を見つめていた。


ほんとちっさくてかわいい。


そんな時、ドアのノックが聞こえた。


「ん?誰だ?美音さん?」

「誰でしょうね?…はーい」

「桜音、琥珀くん。少しいいかな?」

「お、お父さん……」


待ってお父さん。


俺、心の準備ができてません!!


桜音はきょとんとして俺の手にくっつく。


「桜音。琥珀くんを借りていいか?」

「えっ!なっ、何で……」

「すぐに終わるよ」

「分かりました。桜音、ちょっとお父さんとこ行くな?」

「は、はい……」


不安そうな顔をする桜音だから、あんまり行きたくないけど。


お父さんに呼ばれたから仕方ない。


あー……今さら桜音はやらない!とか言われたらどーしよ俺!?