【琥珀side】
驚くほど広くて天井の高い桜音の部屋。
今日は家に笑花ちゃんしかいないから、桜音んちにお泊まり。
「琥珀くん、寒くないですか?」
「大丈夫。桜音は?寒いしょ、おいでー!」
「まだ何も言ってないですよ!」
「嬉しいくせに」
ピンクのソファーに座る俺の膝に桜音を座らせる。
ちっさくてかわいい。
桜音の部屋もあったかいけど、桜音自体もかなりあったかい。
「桜音カイロみたい。すげーあったかい」
「なら私は琥珀のカイロになります。寒い時は温めてあげます!」
「それ、どーゆう意味?俺勘違いする……」
「琥珀くん!お父さんに言いますよ!」
「すいませーん!」
今の俺にとって一番恐いのは桜音のお父さん。
すごく優しいけど、やっぱ娘を取られたらねぇ?