桜音の歩幅に合わせて砂浜を歩く。


海にいる人はかなり少ない。


「夕日キレイですね!青かった海も、今はオレンジ色です」

「気に入ったならよかった」

「琥珀くんと行く場所なら、どこでも気に入りますよ」

「俺も桜音とならどこでもいい」


笑い合って、砂浜に二人の足跡をつけてく。


その足跡も海で消されてく。


こんなにキレイだと思う海は今まで見たことがない。


「なんかカップルっぽいことしてますね」

「じゃあ、もっとカップルっぽいことする?」

「へ?」

「はい、口閉じる………」


ピンク色の唇に軽くキス。


俺らのとこだけ時間が止まったような気がした。


だからといって、いつまでも二人で一緒にはいれない。


海を見たあとはホテルへ戻った。