【琥珀side】



閑静な住宅街とは、この事だろう。


どれもこれもデカイ一軒家が建ち並び、車はどれも高級な外車。


「桜音……お前こんなとこ住んでんの?」

「はい。まぁ…普通じゃないですか?」


普通じゃないです。


桜音のデカイ家の前でなかなか家に入れないでる俺。


医者家系の家だぞ!?


ヤバイ緊張するって!


「大丈夫ですよ。父は琥珀くんを認めてますから」

「認められてても緊張するって」

「外にいても暑いですし………お家に入りましょう?」

「わ、わかった!お、おじゃまします!」

「誰もいませんよ」

「え!」


広い玄関には、お手伝いさんらしき女の人が桜音に頭下げてるだけ。


やっぱ、仕事忙しくて家族いないのか……。