今度は軽く頭を叩きながら、ある程度まとまったから話す。
なるべく、さやかを悲しませないように。
「俺の一方的なことだけ話して、お前の話しなんも聞かなかったな」
「琥珀の昔っからの癖じゃない。気にしてないわよ」
「だから、今ちゃんとお前の話し聞く」
「あたし達別れてるんだよ？どうしちゃったの？」
別れてからじゃ遅いなんて百も承知。
だけど、俺の意見だけじゃなくてさやかの意見も聞く。
「俺に聞かせて？さやかの意見」
「琥珀って優しいのかよくわかんないわ！」
「優しいよ。俺は」
「あっそ！みんなに優しいんだからっ……いっつもそうやって………」
さやか一人を見てあげたこと…なかったかもしれない。
あの時の俺は、ほんとにバカすぎだろ…。
