俯きながら桜音は小さな声で話す。


「家族といるよりも………琥珀くんといる今が私にとってはすごく幸せです」


無理して笑う寂しそうな顔。


正直、桜音は家族とうまくいってないことがわかる。


せめて俺といる時だけでも無理しないでほしいから…


「無理して笑うくらいなら笑うな」

「え…?」

「もーお前の寂しそうな笑顔は見たくない」

「やっぱり琥珀くんは優しいです」


少しだけど家族の話ししてくれた。


なんだか、桜音が俺に心開いてくれてる感じがしてすごく嬉しい。


「……やっぱ今日…早退して遊ばね?」

「そうですね…琥珀くんに付いて行きます!」

「よし!じゃあ行くか!」

「はい!行きましょ!」


桜音の手を引っ張って屋上から出る。


校内は屋上より少し温かく感じる。