こうやって桜音といる何気ない時間が好きだから、サボりの時間は好き。


ひたすらボーッとしてても桜音が隣にいるからそれでいい。


「…午後からは、ちゃんと授業出ような」

「琥珀くんも出ますか?」

「俺も出るから。で、部活終わって一緒に帰る」

「それなら授業出ます。琥珀くんと一緒に帰りたいですし…」


恥ずかしそうに笑う桜音を抱き寄せて、屋上のフェンスにもたれ掛かる。


細くて長い桜音の指に俺の指を絡めると、桜音はコテンと俺の胸に頭を寄せた。


「相変わらずキレイだな…髪」

「琥珀くんが褒めてくれるので髪切れなくなりました」

「それっていいの?悪いの?」

「いいです……褒めてくれるので。切りたくないです」

「そっか…」

「琥珀くんの茶髪も素敵ですっ」


俺の髪にふわっと触れた桜音の指。

一生懸命さがかわいい。