でも蒼空くんは少し拗ねた顔をしたまま右手であたしの頭をポンポンと撫でる。
「でも俺が頼られないのはなんか……ヤダ、な」
「え?」
「笑花先輩。琥珀じゃなくて俺を頼って?」
「わかったよ」
あたしが笑って返すと、蒼空くんの頬がほんのり赤くなった気がしたのは気のせい?
あたしは……
琥珀じゃなくて、もう少し蒼空くんを頼ってみようかな…。
廊下で先を歩く蒼空くんの背中にあたしはバフッと抱きつく。
「蒼空くんはあたしの彼氏だもんねっ」
「そうですよー。俺は笑花先輩だけの彼氏」
「蒼空くんかわいい!」
「笑花先輩のがかわいい!」
照れる蒼空くんが、かわいくてもっともっと照れさせたくなったのは秘密。