二人並んで桜音の下宿先に向かう。
夕日に照らされたオレンジ色の歩道を二人で歩くのは何度目だろう。
「今日の琥珀くん…すごくカッコよかったです」
「なんか照れる~…」
そうやって言ってる桜音の頬は真っ赤。
かわいくてつい、軽く小さな唇に不意打ちでキスをした。
「はっ…え、えっと…」
「ごめん…。かわいすぎて押さえらんなかった…。嫌だった?」
「嫌じゃないです!…あ、でっ、でも…」
「足りない……もっかいチュー…」
桜音の下宿先の前でしたキス。
俺がキスすると夕日で二人の影がキレイに重なった。
「んっ…恥ずかしい、ですよ…」
「俺も恥ずかしい…。でも桜音のこと好きだから」
ふわっと笑った桜音の笑顔は、夕日が作った俺らの影よりもキレイだった。