一瞬、時間が止まったと思った。
「い、以蔵…
な、なに言ってるの?」
「俺と離れろ。」
「だ、だからっ!!」
「すまない。
おまえを守りたいだけだ…」
っっっっ?!
「私を…守りたい?」
その問いかけに
以蔵は
顔を
真っ赤に染めて言ったよね。
「そうだ…
俺といれば、
俺たちと過ごしていれば…
おまえは
さっきみたいに
幕府を守りたいやつら、
俺らを嫌うやつらに
襲われる…
そんなとき、
今日みたいに俺か誰かが
ついていなかったら…
おまえは死んでいただろう。
好いた女を
自分の存在のせいで
なくすなんて…
俺には考えられない。
だから、俺と離れてくれ。」
な、な、なんて優しいの…
でもそれって、、、、、
「…自己満足。」
うわ。ハモりましたよ。
「え?」
当たり前だよね…ハハハ…
だって守りたいから
おさめてた気持ちも
赤裸々に話したのに、
自己満足だなんて言われるんだもの。
「以蔵…
それって自己満足だよ。
私は…
以蔵といたいから。
だから、ここにいる。
みんなといるんだよ。
もしそれが、
ただウザいだけとかで
斬られて死ぬのなら
本当に虚しいわ。
でも、
以蔵たちといるから、
みんなといたから故の結果で
殺されるなら
私は幸せよ。
このご時世、
斬られて死ぬなんて仕方ない。
問題は、
どんな理由で斬られるか…
っね?
私は、離れろ。
って言われても離れないわよ。
みんなといられること、
以蔵と毎日を過ごせること、
それが私の誇りなのだから。
以蔵の分かりにくい優しさも
私は全部大好きよ。」
なんで
こんな良いこと言うんだろう。
この私の
以蔵への愛は
どれほど大きいんだろうか。
ってことは…
さっきの離れろ。は、
夢のなかの私を
守りたい故の結果なのね…
なんて、不器用な優しさなんだろうか――――
―――――夢雨歌~起きなさーい!!―――――
あぁ…また、さよならだ。