夢のなかの私は…
てきぱきの支度をしていた。



そして、ご飯を食べる部屋に行くと
みんなはすでにご飯を食べはじめていた。

「す、すいません…
遅くなってしまって!」

「いや、私は
今までで一番早いと思うが…」

「そうじゃ、そうじゃ。
気にするでない!
そういや…
以蔵がやけに
赤面になっておったんじゃが、
おんし、何か知らぬか?」



以蔵のほうを、
見てみると…
言わないでくれと
言わんばかりの眼差しが…
か、可愛いよ…


「さぁ…私は知りませんよ。
私の部屋からの間、女将さんと
やらしいことでも
していたんじゃないですか?」

「それは、まっことか!以蔵!」

「っなっ!おまえ…
龍馬!何を言う!」

「以蔵…本当か。」

「せ、先生まで…
なぜ、私がそのようなことを…」

「だが、おまえの顔が
赤かったには違いないであろう…」

「そ、それは…」

「ま、まさか…
以蔵…おまえ…
夢雨歌を襲ったのか…」


夢のなかの私は…
堪えていた笑いを
思わず吹き出してしまった。

「あははははっ!!
龍馬さんったら、
何を言い出すかと思えば…
違うんですよ。
起こしに来てくれた時に
私が必要以上に
距離を縮めてしまっただけです。」

「なんと…
以蔵!おまえだけセコいぞ!!」

「な!だから、なんでだよ!」

「夢雨歌と、一緒にいられるし…
おまえは、名前だって
呼び捨てじゃないか!」

「ちょっと!待ってくださいよ!!
以蔵さんだけじゃなくて、
僕は慎ちゃんって
姉さんに呼ばれてますよ!!」



慎ちゃん…
中岡 慎太郎は
誇り高くそう言った…


私は…
この空間が大好きだった…


とても…あたたかい…
やわらかくて…
楽しいんだもの。