武市さんが、息を落ち着けてから
言った。






「夢雨歌、帰ろう…
みんな、心配してるんですよ。」






あれ?怒ってないのかな…







私は半ば強引に店を出ていった。




「武市さん。武市さん。
ねぇ!どうして怒ってるんですか?」

「怒ってません。」

「怒ってますよ…」

「じゃぁ、どうしてだと思いますか…」

「え?」

っ?!


私は…
ギュッと
抱きしめられていた。

とても優しく…
大事に…宝物を扱うかのように。