カササギは天を仰ぎました。
煌めく星が、静かに佇んでいます。


宇宙には音がありません。
カササギの羽ばたきさえ、吸い込まれてしまいます。


それでも、カササギは聴こえてくる気がしたのです。

織姫の機織りの、指先から紡がれる静かな音が。


カササギはふたたび筆をとりました。





『あなたの紡ぎ出す言葉に救われています。
あなたの織り成す物語に癒されています。
だから、どうか無理をしないで、あなたの心のままに機織りを続けてください。』


これではまるで恋文だ、とカササギは思いました。


カササギは手紙を折りたたむと、静かに天の川に流しました。


いつか織姫に届くようにと願いながら。