「あなたのお名前、なんていうんですか?」
「あたし?鈴木咲。」
「咲さん。かわいいなまえですね。」
「君は?」
「俺っスか?俺は清水遼です。」
「遼くんかあ。」
「遼って呼んでください。」
「じゃあ、遼っ」
「はいっ。」
僕達は互いに微笑みあった。
「遼さあ、何歳?」
「俺は14っス。」
「え?中二?」
「いや、中三っスよ。」
「へえ、何中?」
「笠置中っス。っつーか、咲さんはいくつなんスか?」
「あたし?15。ってか、咲でいいよ。」
「ぁ、中三っスか?」
「うぅん、高一。」
「え~、何高っスか?孝美女子とか?」
「ちがうよぉ。でも、ないしょ~。」
「なんスか、それ。」
「えへへ、ひみつ~。」
「なんかずるいっスね。」
「遼さぁ、なんでこんなとこで詩なんて書いてんの?」
「あぁ、なんかここ落ちつくんスよ。緑に囲まれてて、目の前に池があって。俺、自然好きなんで。」
「へえ、そうなんだぁ。」
「ここは人工的ではあるけど、この街にはこういう緑ってあんまりないし、ここが俺の中で一番自然に近い場所なんスよ。大地の母的な。一種のパワースポットっスよ。」
「大地の母www」
彼女はくすっと笑った。