僕は授業中も、彼女のことで頭がいっっぱいになって、ノートのすみに彼女を思って詩を書いた。
食事中も休み時間もずっと彼女のことを思って詩を書いた。
 そして今日も公園のベンチで詩を書きながら、来るはずもない彼女を心待ちにしていた。
やはり彼女は来なかった。
僕はふいに詩を書く手を止めた。
僕の心の中で彼女の存在が大きくなって、彼女のことを考えると何も手につかなくなってしまった。
「どうしたんだ、俺。」
 もう一度彼女に会いたいという気持ちが強くなっていることに気づいた僕は次の日もこのベンチで彼女を待った。
彼女は来ない。
次の日も、またその次の日も僕はこのベンチで彼女を待った。