僕は、詩を書くことが今まで以上に楽しくて、あたりが暗くなっていることに気づかなかった。
彼女は7時をまわっても姿を現さなかったので、僕は家路に着いた。
帰り道でもずっと詩を考えていた。
   『僕の言葉はあなたにとってどんな意味を持つのだろうか。
    あなたの言葉は僕にとってこんなに大きな意味を持つというのに。』
僕は、どうしても彼女に会いたくて、明日も公園に行くことにした。
 次の日の朝、聡史が声をかけてきた。
「ようっ、遼さん♪」
「おぅ!なんだよ、聡史。学校行く時はもっと静かに行こうぜ。」
「な~にいってんだよ、遼。朝っから元気ってのが一番じゃねえか。遼、静かに歩けとか言ってたらすぐじじぃになってまうぞ。」
「それはごめんだぜ。」
聡史は元気だけがとりえのやつだ。
どんな時でもうるさい。
「あ、それはそうと。彼女に会えたのか?会いにいったんだろ?」
「ああ。でも、会えなかった。」
「それは残念だったな。」
「ああ。あんなとこそう来ねぇよな。」
「そうだな。図書館に行くのなんて、がり勉くらいだぜ。」
「そうか?」
「がり勉っぽいやつしかいねえぜ。」
聡史は僕が彼女に会いたがってたことを気にかけてくれていたらしい。