俺はソラの彼女がいるのか、という質問には答えず、言った。



「これからできる限り、ここに来る。お前はいつもここにいるのか?」


ソラは大きく頷いた。


こいつは暇人らしい。


俺がここに来ると言った瞬間、顔が輝いた。


俺は自分のスマホをだして言った。


「メアド交換するから、お前のも教えろ」


ソラはクスッと笑って言った。


「私、携帯持ってないの」


………。


ダメだ。

一瞬、頭がフリーズした。


俺は眼球がとびでるんじゃないかと思うほど、目を見開いて言った。



「は!?携帯をもってない!?じゃあ連絡手段はどうするんだよ!?」



ソラは少しうーーん、と思って唸りながらひらめいたように言った。


「わかった!私、手紙書く!!」



そういって、自分の足元においてあったバッグから、昨日拾った手紙と一緒の便箋をだして言った。


「何か連絡をとりたいときは、手紙を大学の1階の倉庫の机においといて!こっちから連絡とるときも、そこに手紙をおいておくから!」


………なんて、古風な……。

いや、まぁ、このさい。

そんなことは、気にしてられない。

携帯がないなら、そうするしかないだろう。