「褒めることでもないよ。でも、そういってもらえると嬉しいよ!
ありがとね。亜依ちゃん」


ヒロ兄ちゃんはニッコリ微笑む。


ヒロ兄ちゃんの笑顔にフニャンって溶ける亜依。


「先輩。亜依なんかからかってないで、自分の用事でも片付けたらどうです?」


崇が刺のある言い方で口を出した。


なんか崇が怖いよ!

あれ? でも、これって崇は亜依が好きなんじゃあ……


『智流は知ってる? 崇って亜依のことが好きなんじゃあ…』


いつの間にか隣にいた智流に小声で聞いてみる。


『ん? ああ。多分そうだと思うぞ。普段の崇なら、人のために怒るってことはしないからな』


智流は崇を見ながら呟いた。


「崇君の言うとおりだね。何か決まったら佑希を通してでもいいから連絡して。
それじゃあ、僕は行くよ」


ヒロ兄ちゃんはそう言って、その場を離れて行った。