「あのね。あたし、お母さんから智流君の話を聞いて『嫌だ!』って思った。

だって、智流君もあたしと一緒で近くの公立中学校に行くって思ってた。

だけど、違ったんだね。
智流君は私立に行きたかったんだよね?」


俺の目を真っすぐ見ながら言った。


違う! 本当は佑希ちゃんと同じ学校に行きたかった。

でも、親には逆らえないから…


「でもね。あたし、智流君と離れたくないって思った。一緒にいたいって思った。

だけど、そんなこと言ったら智流君を困らせちゃうよね?

ごめん。今のは忘れて」


そう言って佑希ちゃんは屋上から出ていった。


「俺だって佑希ちゃんと一緒にいたいよ…」


でも、どうすればいいのかがわかんないんだよ。


なぁ? 俺はどうすればいいんだ?


空を見上げると目からは一筋の涙が流れていた。