「……あぁ、男子校なんか行ったら危ないって?そうだな……」
ゆうは気づいていないみたいだが、
アイツはかなり可愛い。
ブラコンだってことをぬきにしたってそう言えるだろう。
「大丈夫かな、転校して……」
もちろん、おれからしたら祥太郎だって十分可愛い。
でも、周りはきっとそう思わないだろう。
祥太郎はおれや悠の前ではこんなだが、
学校ではけっこう取っつきにくい……まぁ、いわゆるヤンキーで、背も高く世間一般ではカッコイイ部類に入る見た目だ。
そのため、たぶん他人からはタチだと思われてる。
実際はネコだが(笑)。
まぁ、だからこそ、
祥太郎がゆうに惚れることはなかったのだろうとも思うが。
だってゆうは、背は低くく華奢で色白。
おまけに中性的な顔立ちと、見た目思いっきりネコだから。
こんなんじゃ女に飢えた男子校でモテるだろうことは
誰がどう見てもわかりきっている。
おまけに、なんだかアイツは人に惹かれる何かを持っている、とおれは思う。
だから兄貴として心配なのは心配だ。
……だが、ここは一旦祥太郎を安心させるか。