『はぁ……なんか用ですか?たくみちゃん』


それに対して相手……たくみちゃんは笑顔で答えた。



『ふふふ、そんな態度とっていいのかなぁ?これ、見えないの~?』

『はぁ?マジキモいんでやめて……へ?』

俺は目の前をヒラヒラと行き来するものを見て間抜けな声が出た。


ーーあれ、錯覚かな??

受け入れてはダメだ、と脳が思考を強制終了しようとする。
それほどまでに、目の前のものを認めてはいけないと本能で察知したのだ。



『こ・れ。当たっちゃった(ハート)』

『……え?うん……お?』

『だからね?ゲフンゲフン……それでは、これをあなた様に献上いたしまするぅ~』


ビビりすぎて最早自分でも何を言っているのかわからない俺へのツッコミを一切省いて、
たくみちゃんはソレを両手で高々と抱えた。


ソレは……俺が喉から手が出るほどほしかった、正富桜先生と会える当たり券だった。