「……っ」 何かが心に引っかかり、 それが何なのか考えようとしたら頭に痛みがはしった。 俺は、小さい時交通事故にあい、 その前の一時期の記憶がキレイに抜け落ちている。 そして、たまにその時のことを思い出そうとすると、 なぜかこうやって頭が痛む。 「……やめた」 俺は一人呟き、 新しく流れた匡貴さんの涙をそっと拭ってその場を離れた。