「失礼しま~す……」



一応の決まり文句を口にし、
開いていた隙間よりもう少しだけ開いて
部屋の中へと身体を滑り込ませる。




「すー……すー……」



規則正しい寝息。


まだぐっすり眠っているその人の顔を、
そういえば1カ月くらい見ていないことに今更ながら思い当たる。




「……やっぱ、きれーだな……」



無意識に零れた言葉。



この学校はイケメンが多いが、
この人はずば抜けている。

なんてゆーか、こう……
“人を魅了する”
みたいな?

そんな雰囲気を持ってると思う。