俺としたことが、
腐男子として見逃してはならないものを忘れていたではないか!


俺は椅子から崩れ落ち、床に四つん這いになり悔しがる。




「……あの、大丈夫?」


先ほど話しかけてきた眼鏡の優しそうなイケメンが
俺の顔を覗き込んできた。



「近い近い近い!眩し過ぎて溶けます!!」



俺は慌てて顔を隠した。




「ぎゃははっ!!噂よりも面白そうじゃん」



顔持っていった手を引っ剥がし、
今度は金髪のイケメンが顔を近づけてきた。

笑う口から覗く八重歯が魅力的だ。




「はぅっ!!許してくださいまし~」



俺は両手が塞がれてしまったため、とりあえず目を瞑り顔を思いっきり右に振った。