『あたし、次女なのにねぇ…』
ふと木崎が呟いた。

『お姉ちゃんは遠くに嫁いっちゃうし。
私も家は出てるけど…
とりあえずは近くにいるからまぁ私が見ることになるんだろうけどさ…
まさかこんなに早く片親になるとは…
しかもうちのお袋、親父より7つも下だったからさ…』
木崎は遠い目をした。

『これで、結婚でもしてれば違ったんだろうけどさ、私も。
ま、やるしかないか。』
そういうと頬を叩いた。

本当はそんな木崎を
抱き締めたかった。

『…落ち着いたら
ゆっくり慰めてくださいな、先生』
そんな俺の気持ちを見透かしたように木崎はいった。

『酒でも飲むか。』
『うん。』

約束をして木崎を送っていった。