『ごめんね、先生』
車に乗ると木崎はつぶやく。

『大変だな』
気の効いた言葉もかけてやれない。
『急だったから…』

『こういう言い方したらおかしいけど
お前いなかったら今お前んちガタガタだろ』
『ははは。
しっかりしてない姉だからね。
父は父で頑張ってるから何とかしてやらないと。』
力なく木崎は笑った。