幸せそうに笑う二人を見ていると、どんどん胸が痛くなる。

そして……消えない心のモヤモヤ。


「泉……もう行こ」


気を利かせてくれたリナが小声であたしにそう言う。


あぁ……目頭が熱くなってきた。

でも……ダメ。


こんなところで泣いたら……変に思われる。


だから……お願いだから出てこないで、涙……。



……あたしがそう願ったその時だった。


「泉!!」


後ろから聞きなれた声が聴こえた。

でも、どこか切羽詰まったような声。


少し驚きながら振り返ると、翼が息を切らしながらあたしの後ろに立っていた。



「翼?どうし……」

「早く!
もうミーティング始まるぞ!!」


え……ミーティング!?

な、何それ……!

聞いてないよ!?


「ミーティングって……」

「いいから早く!!」


翼はあたしの腕をグイッと引っ張って走り出す。


「ちょっ……!」


あたしは翼に引っ張られながら振り返る。

ポカンとした顔の修ちゃんと美月ちゃん。

その横でリナが笑顔で小さく手を振っていた。