久しぶりに二人だけの帰り道。

いつもならくだらないことを話してるけど……今日はほとんど会話がない。


まぁ、仕方ないといえば仕方ないんだけどさ。


「……あのさ」

「ん……?」


俺が声をかければ、泉は小さく首を傾げながら俺を見上げる。


「そんな離れなくても……よくない?」

「え?」


俺と泉の間にぽっかりと空いた隙間。

一人ぐらい入れそうな隙間。


「あ……うん。そうだね」


そう言って苦笑いして少しこっちに寄る泉。

その反応に少し心が痛む。


……仕方ない。


今の俺と泉の間にはこれぐらいぽっかりと隙間が空いてしまってるんだ。

そうしたのは他の誰でもない、俺で……。