「えっ?あ、はい…。そうですね」

「ちょっと花ちゃん、何ボーッとしてるのよ。それにしても、そんな人が元カレだなんて羨ましいです、麻生さん」

「そんな事でもないわよ。だって過去の事だし」

そう言う麻生さんは、チラッと私を見た。

そうか。

麻生さんは、私と雅貴の関係を知ってるんだわ。

だからか、どことなくトゲを感じるオーラを放ってるのよね。

「そう言っても、バッグをまだ持ってるんですよね?麻生さん、実は未練があるからとか?」

原田さんがからかう様に言うと、麻生さんは微笑んだ。

「そうかもしれないわね。もう一回、頑張ってみようかな」