伸ばした右手を掴まれて手のひらに
ひとつキスを落とされる。


瞬間。


手から電流が流れたかのような感覚に
陥って、全ての思考が止まった。


前髪に隠れた猫目が動けない私を捕らえ、
くすりと意地悪そうに笑った。



その眸も、その仕草も、その表情も
なにもかも。




「(やっぱり、猫みたい)」




————…掴まれた右手は熱い。