「こんなに寝るつもりじゃ…」 『悠が居眠りなんで珍しいよね。 なに?寝不足?』 「……」 ぽん、と置かれた夏の手が私の頭を 優しく撫でた。 …なんだか、安心する。 そのぬくもりに自然と身をよじると 陽に透けた猫っ毛の髪をふわふわと 揺らしながら 『悠ってさ。まるで、猫みたい』 そう言って微笑む夏に眸を奪われる。 猫みたい、なんて。 「あなたこそ、猫みたい」 気付いた時には、私は夏のその髪に 触れていた。