———放課後・教室


「………ん…」

『あ、起きた』



………は?


むくりと眠い目をこすりながら起きると
前の席に夏がいた。


「……なに、してるの」

『んー?』

「…夏の席、ここじゃないでしょ」

『えー?』

「…」


なんだこいつ。


へらへらと笑う目の前の男にため息を
吐いて働かない思考で時計を見ると。


「…、うそ」

『あ、驚いてる』


睡魔に負けて眠ってしまった
5限目の途中。

起きた時、すでに教室には私と夏しか
いなかった。