———AM7:37・教室
その日私はいつもより大分早い時間に
下駄箱を通過していた。
どうしても、あの家にはいられない。
朝から気怠い気持ちを抱えて誰もいない
シン、とした廊下を歩いて教室に向かう。
教室の後ろの扉を開けて、一歩中に
足を進めた瞬間…
「っ…、な…つ?」
窓から入った朝の柔らかい陽射しを
浴びながら、机に伏せてる彼がいた。
「(び、っくり…した)」
私しかいないと思い込んで入った教室に
不意打ちで夏がいるなんて、驚かない
わけがない。
そもそも、だ。
「なんで、こんな時間にいるの…」
自分のことは棚上げしてみたり。