タイトルを【セカイ】と記された写真。
雲ひとつない青空と太陽の光によって
輝く青い海。
空と海の境界がない、目が眩む程の青。
そして、写真の真ん中にひとり佇む女性。
艶やかな黒髪に黒のワンピース。
青の中に浮かぶ黒。
その写真はただ、ただ美しくて、
ただ、ただゾッとした。
だって、この人はこれを【セカイ】だと
言うのだ。
【自分】の【セカイ】だと。
【彼女】しかいない【自分】の【セカイ】
固執している。執着している。
自分のセカイには彼女しかいらないと
言っているように感じる。…だけど。
そのことが、どうしようもなく
————…綺麗だと、思った。