その出会いはホント偶然で。

___学校帰りに、あたしと美咲が家路に向かって歩いていた時のこと。

あたし達は、ブレザーを脱いで、愛用のジャージを羽織っていた。

そしたら

「おっ、早速遊び?」

「え?」

「どーも。僕、桜田高校2年の、成宮春樹(なるみや)です。」

ニコッと笑顔をつくる、成宮春樹という人物。

いきなり自己紹介されても困るんですけど…

「ふーん、で、あたし達に何か?」

「君達、1年生でしょ?伊藤と葛西。」

「なんでうちの名前まで知ってるの?」

…あたしの名前知られてるのもおかしいから。

「んー?龍虎(りゅうこ)に聞いた。…知ってるでしょ?龍虎って。」

一瞬、美咲と目を合わせた。

「龍虎って…あの、龍桜の?」