「……あの人は、あたしの王子様じゃないよ」






「え?」







あたしの王子様は黒髪の無造作ヘアなんかじゃなくて




…色素の薄い癖っ毛だった







なに1つ当てはまっていないあの人は、かっこよくても“あたしの”王子様じゃない








「じゃあ誰なの、まちかの王子様って」







繭はスプーンをあたしに向けた






誰って…