おかげで、こうして舞踏会の会場に乗り込んでも、悪目立ちしているというわけではない。
「だいじょうぶだ。十分美女に見える。しかし、こう首元を締め付けるというのは慣れないな」
居心地悪そうにオーウェンは首に巻いたクラヴァットに指を差し込んだ。何とかしてて隙間を作ろうとする。
「――こっちの身にもなってみろ。頭は重いわ、息は苦しいわ、二度とやらないぞ」
周囲には男で通している(全員見て見ぬふりではあるが)エディが女装しているという建前であるため、ドレスの襟は高く、顎のすぐ下までしっかりと覆っていた。
そこにやたらきらきらした宝石の首飾りをかけ、腕の線を隠すために手首まで緩やかなラインを描く袖で隠している。いつもは首の後ろで束ねてあるだけの艶やかな黒髪は塔のように高く結い上げられて、そこに首飾りと揃いの髪飾りと生花があしらわれていた。
”男同士”なのでここぞとばかりにじろじろとオーウェンはエディの胸元に視線をやる。
「胸にずいぶん詰め物したんだな」
「ばあやにやられた。このくらいしないと迫力がないとか言ってたな」
「だいじょうぶだ。十分美女に見える。しかし、こう首元を締め付けるというのは慣れないな」
居心地悪そうにオーウェンは首に巻いたクラヴァットに指を差し込んだ。何とかしてて隙間を作ろうとする。
「――こっちの身にもなってみろ。頭は重いわ、息は苦しいわ、二度とやらないぞ」
周囲には男で通している(全員見て見ぬふりではあるが)エディが女装しているという建前であるため、ドレスの襟は高く、顎のすぐ下までしっかりと覆っていた。
そこにやたらきらきらした宝石の首飾りをかけ、腕の線を隠すために手首まで緩やかなラインを描く袖で隠している。いつもは首の後ろで束ねてあるだけの艶やかな黒髪は塔のように高く結い上げられて、そこに首飾りと揃いの髪飾りと生花があしらわれていた。
”男同士”なのでここぞとばかりにじろじろとオーウェンはエディの胸元に視線をやる。
「胸にずいぶん詰め物したんだな」
「ばあやにやられた。このくらいしないと迫力がないとか言ってたな」