「返事は…?」



みんなの私に対する期待が辛い。

(この状況で断る訳には…)


「えっと…」




「藤井の素直な気持ち言えばいいやん!」

野次馬の中から聞き覚えのある声がした。


この空気を代えたのはもちろん…。


「てか、見られてたら藤井も
返事しにくいやろうし行こーぜ!」



(やられた…。)


胸の奥がきゅんとなったのを感じた。


(俊に聞いてほしい…)



「私!」


俊を引き止めるかのように
思わず声を張り上げてしまった。



「私。好きな人がいます!
だから、ごめんなさい。」



関口くんは驚いていた。

そっと俊に目を向けると
同じように驚いた様子。



関口くんが口を開く…

「好きな奴って誰?」