「優。公園行こっか。」
「え?」


母に公園に誘われたのはまだ朝の7時。

正直、変だと思った。


そっと起こされ、お気に入りの
真っ赤なコートを着させられた。


母はまだ1歳の弟をおんぶ紐で縛り、
手には大きな荷物。


「なんでこんな朝早くから公園行くの?」
「そのおっきいかばん何?」

母は答えてくれない。

「パパは行かへんの?」

変だと思ったー。


父はリビングに布団を敷いて寝ていた。


最後に見た父の背中だった。