「明けましておめでとう! 先輩達に気持ち良くやって貰えるように盛り上げていくからねっ!」

「ィエェェエイ」

「私達と一緒にヒートアップして行くのよぉっ?」

「オオォォォォ!」



  ダダン! ダダーッダー ダダダン! ダダー



「SOU!」


 咲邪が曲名を叫ぶとステージ寄りのオーディエンス達が一斉に頭を振りだす。先輩達のツアーでオープニングアクトを勤める事が多々有ったので、クロレトの曲も知れ渡っているようだ。

 イントロ部分で背中を合わせてきた覇龍が咲邪に声を掛ける。


「咲邪ぁ、俺達イケてるよなぁぁ?」

「勿論よ! 飛ばして行くわよ?」


 次々と矢継ぎ早にナンバーを奏でる咲邪達。オーディエンスの興奮は更に増し、代表曲『キラー』を演奏する。


♪Why don't you shot the Killer?♪


 オリエンタルなコードで疾走感の有るリフが奏でられた後に挿入されるサビのコーラス部分。美しいハーモニーを聞かせた途端にまたガラリと趣を変え、怪しげなAメロへと流れていく。


「今日は咲邪の声が伸びてるんだ、最高だ」


 斬汰は楽しくて堪らないといった面持ちでタムを回し、クラッシュを打ち鳴らす。