二人で教室に入ると、既に来ていた隆輝と視線がぶつかった。


その強い視線に耐えきれなくて、私は視線を逸らした。


芽衣と目が合い挨拶を交わした。



「お二人でいらっしゃいましたの?」

「うん! 朝食も二人で食べたんだ」



ね?っと笑顔を向けるカルロ。


一応笑って見せた。


お願いだからそんな大きな声で、しかも隆輝がいる前でそんな事言わないで!!



「っ!?」



腕に痛みが走った。


見ると隆輝が怖い顔をして私の腕を掴んでいた。



「ちょっと来い」

「え!? は!? ちょっ、待っ……!」



腕を掴みあげられ無理矢理立たされると、私の事なんか御構い無しなしに、隆輝がドカドカと歩き出した。


引っ張られながら廊下をどんどん進んで行く。



「離してよ!!」

「…………」

「痛いから離してってば!!」

「…………」



とことん無視する気!?


ムカついて隆輝の耳元で口を開いた。



「はぁなぁしぃっ……っ!?



っ!?


突然壁に押し付けられ、背中の痛みに顔をしかめた。


直ぐ目の前には隆輝の顔。


唇には柔らかな感触……キ、キス……っ!?



「ん……っ、……」



人通りがなくて、静かな廊下。


思わず漏れた自分の声が恥ずかしくて、顔が熱くなる。