「あ!!」

思い出したようにユウがゲームをしながらいきなり声を出した。

「ヒサーさっきのゲーム、負けたんだから罰ゲーム♪」

「…~ッ分かったよ。」

「罰ゲームって、何するの?!」

三郷が楽しそう!と読んでいた漫画から顔をあげてユウに聞いた。


「ゲームで勝った方は一日王様権!」

「くそ…。」


いつも、ヒサに痛い目に合わされているユウにとっては一番のご褒美だ。

ヒサもいつもの調子でこの罰ゲーム内容を決めたんだろうけど、負けるなんて思ってなかったに違いない。

だから、さっきのケンとサユとのやり取りがあったわけか…。


「で、何命令するの?!」

明らかにこの状況を楽しんでいる三郷。


「う~そうだな~~…」

噛み付くように睨んでくるヒサと視線を合わせないように、ユウは頭を捻る。


「ん~…咽渇いた!かな。」

「水飲んどけ。」

「炭酸がいー…です。」

ヒサと目が合ったユウは一瞬固まってから怖々と最後まで言った。


「はい、ヒサ炭酸だって~3分以内ね。」

ユウの隣で三郷がニッコリ笑顔で条件を付け足していた。


「おまえとは勝負してねー!!」

「3分以内でしょ?ユウ~?」

「え?あ、うん。」

咄嗟に頷くユウ。頷いてからあっ。と気づいたものの、既に遅し。

「王様が、そうだって~。」

クスクス笑いながら三郷はヒサを横目で見て早く行くよう促した。