それは突然だった。
ある日のお昼に、屋上で昼寝をしていた。
人の気配がしたので起きてみると、あいつがいた。
奏 紫音。
チャンスだと思った。
少しずつ近づいて行くと、俺に気づいたのか丸い目で俺を見る。
急でびっくりしたのか、青ざめながら震えている。
いちゃもんでもつけられるのかと思ったのだろうか。
自然に話しかけるには、どうすればいいんだ?
とりあえず……
「やっぱり。俺のとなりの席の奏だよな?
俺ら話したことねぇもんな。」
そのあと思い切って言った。
「俺さ、ずっと話してみたかった」
恥ずかしくて奏の顔を見れなかった。